1.不動産を早期
売却する必要性
遺産を相続した際、相続税を支払うための現金を用意するのに苦労される方は少なくありません。相続税でお悩みの場合、相続した不動産を売却して得た現金で支払うことも可能です。
相続税の納付期限は被相続人が亡くなったことを知ってから10ヶ月以内なので、その間に不動産を現金化できれば、相続税をスムーズに支払えるでしょう。
なお、不動産を早期売却すべきケースはほかにもあります。ここでは、そんなケースの一部をご紹介します。
1-1.早期売却向きのケースを知ろう
不動産売却を検討する理由は、「住み替えを考えている」「相続した家が空き家になった」「離婚した」「ローンの返済を続けられない」など人それぞれです。
いずれの場合も「スムーズに売却を進めたい」「少しでも高く売りたい」という思いは、共有しているでしょう。
以下では、「早く売却したほうがよい!」ケースをプロ目線で紹介します。「このケースは自分にも当てはまるのでは……」という方は、早めに売却を検討することをおすすめします。
1-1-1.空き家を所有している
不動産売買に伴う税金の支払いは、決して安いものではありません。税控除の制度を適用するかどうかで、支払う税額が大きく変わるケースもあります。
たとえば空き家の場合、譲渡所得の3,000万円特別控除を適用できます。しかしこれには「相続時から3年経過する年の12月31日まで」に売却をした際にのみ有効です。期限が過ぎる前に売却を進めましょう。
1-1-2.相場価格変動の可能性がある
どの土地にも言えることですが、バブル期に言われた「地価は根下がりしない」という確証は、過去のものになりつつあります。
少子化が進み空き家問題も深刻化する中、相場価格変動のリスクはどの土地でも抱えています。今より価値が下がらない前に売却を進めたほうが無難なケースは、日本中に数多くあるでしょう。
1-1-3.物件価格減額の可能性がある
たとえば住宅の過半数を占める木造住宅だと、法定耐用年数は22年とされています。つまり、その年数を過ぎれば市場価値はほぼゼロに。
築年数が古くなれば取り壊しのお金が必要になってしまうケースもあります。そのため、建物の価値を少しでも残して売却するには早期の対応がおすすめです。
2.不動産を早期売却
するためのポイント
所有している不動産に早期売却の必要性を感じたら、早速行動を起こしていきましょう。ここでは、スムーズに売却を進めるためのポイントを紹介します。
2-1.Point1.適正価格を設定しよう
- 周辺の似たような物件の価格を調査する
- 市場価格を知り、適正な販売価格を設定する
- 購入検討者から値引き交渉をされる場合に備え、許容できる最低ラインを決めておく
2-2.Point2.インスペクションを実施しよう
- 瑕疵(隠れた欠陥)がないか、修繕の必要性があるかなど住宅の状況を調査する「インスペクション」を実施する
- 住宅の安全性を証明することで、「安心して購入ができる」と購入検討者にアピールする
2-3.Point3.既存住宅瑕疵保に加入しよう
- 既存住宅瑕疵保険(瑕疵が見つかった場合に修繕費が支払われる保険)に加入する
- 購入検討者に対して住宅の信頼性を高める
2-4.Point4.写真の見栄えや内覧時の印象を良くしよう
- 購入検討者に良い印象を与えられるよう、売却する物件をきれいに掃除する
- 購入検討者の60%以上は最初にWebサイトで物件を検索するため、写真の見栄えにこだわる
- 「撮影を明るい時間帯に行う」「部屋を対角線で撮影する」など工夫する